当院の訪問治療は、ただ「医院に行けない患者さまの歯を治療する」のではなく、もっと大きな範囲でのお付き合いができればと考えております。
たとえば、ただ入れ歯を渡したところで、家から出られない状態の患者さまであればさまざまな機能障害を起こしている可能性が考えられます。お口の中の環境が悪く、細菌がたまっている状況であればどうでしょうか。
誤嚥によって細菌が肺に入り込み、肺炎になってしまう患者さまもいらっしゃいます。すると、ただ歯を治すだけでなく、お体全体の今後を見すえたケアが必要になるのではないでしょうか。
当院の訪問治療は、いわば「在宅口腔ケア」と呼ぶべきものです。
高齢者の方にとって、口の中の細菌がまちがって気管に入り、肺にまで達して起こる「誤嚥性肺炎」は大きなリスクとなります。在宅口腔ケアは、誤嚥の予防に大いに役立ちます。
■ お口の中をきれいにする。
■ 入れ歯をお手入れする。
■ 虫歯や歯周病の予防や治療をする。
■ マッサージによって噛む機能を回復させる。
■ 食事指導を行う。
こういったリハビリテーションによって、患者さまのお口の機能を向上させます。お口の機能が向上するということは、「食べること」「飲み込むこと」、そして「話すこと」が回復するということです。食欲が増進すれば体力がつきます。話すことができれば、人とのコミュニケーションができます。
それはつまり、生きる力を取り戻すということです。
そうした力を取り戻していただく上で、さらに「こんな治療方法もありますよ」などといった、「これから」を考えたご提案もしてまいりたいと考えております。